石臼のすすめ

 近年抹茶ブームですね
京都の宇治は全国的にもお茶処として有名ですし、宇治田原や城陽も盛んです。
私共の店の近くは観光名所が沢山ありますので、
お土産屋さんや甘味処、洒落たカフェなど魅力的なお店がいっぱいです。
どこのお店もこぞって抹茶アイス・抹茶プリン・『抹茶・・・』と、どれも美味しそう。

でもね、石臼(自動抹茶挽き機)を作成されているご主人にお話を聞いておりますと、
『みんな抹茶、抹茶言うてるけどあれはホンマの抹茶やない!』
っておっしゃるんです。
どう言う事?ってお聞きすると、
『抹茶は碾茶(てんちゃ)と言う収穫前に被覆した茶葉を蒸して碾茶炉で乾燥させたものを
石臼で挽いて粉末状にしたもの』だそうです。

その最終工程の石臼で挽く、という所が大事で味も変わるらしいです、
・・・が近頃は粉砕機(ミル)を使って製造する業者が多いそうです。
100%じゃなくても何割か混ぜるとか・・・なぜそうするかと言うと、
石臼だけでは手間もかかる、時間もかかる、いわゆる採算重視ってやつらしいです。
『あれは抹茶や無い、粉茶や!』って言われる意味が良くわかりました。

お茶業界も、粉砕機を使って製造しても抹茶と呼んでも良い、としていますが、
ご主人のお話を聞くと何だか将来、どんどん本当の姿が消えて逝きそうな気がしました。
多分私には、抹茶と粉茶を見極める事は出来そうにないですが、
このままではせっかくの抹茶文化がいびつになり、
果てには全然違うものになってしまうのでは、と少し心配です。

ご主人の作成された自動石臼抹茶挽き機